エアコンをつけたら、カビ臭い風が出てきた。吹き出し口を覗いたら黒い汚れがびっしり💦
「この家は賃貸物件だし、大家さんが直してくれるんだよね?」── そう思いますよね。
実は、汚れに気づくタイミングによって、クリーニング費用を負担する人が変わるんです。
このルールを知らずに対応すると、本来払わなくていい費用を自己負担してしまうことがあります。逆に、大家さんに相談すべきケースで放置すると、退去時にトラブルに発展することも。
私はエアコンクリーニングの現場に12年携わり、賃貸物件でのクリーニングも数多く経験してきました。費用負担を巡るトラブルの相談は現場でもよく耳にします。
この記事では、現役12年プロ × 賃貸オーナー両方の視点から、賃貸エアコンのカビ問題と費用負担について本音で解説します。
【この記事でわかること】
- ✓なぜ賃貸のエアコンはカビだらけになりやすいのか
- ✓入居中・退去時の費用負担の基本ルール
- ✓大家さん側の本音と、交渉が通りやすくなるコツ
- ✓カビだらけに気づいたらまず確認すべき3つのこと
- ✓自分で業者を呼ぶ際の注意点
読み終える頃には、大家さんに請求できるケースかどうかを正しく判断できるようになります。払わなくていいお金を払うリスクも、交渉せずに損するリスクも、両方避けられます。
結論から言うと、エアコンクリーニング費用は汚れに気づくタイミングで負担者が変わります。
なぜタイミングでこんなに変わるのか、それぞれの根拠と大家さんへの交渉のコツを解説していきます。
現場の実話|過去に退去後清掃をしていた私が見てきた賃貸エアコンの実情
賃貸物件のエアコンを開けてみたら、想像以上にカビだらけ ──。
12年現場を見てきた立場から言うと、これは決して珍しいケースではありません。実は賃貸エアコンは、入居者の入れ替わりで「分解クリーニング」が必ずしも行われていないのが一般的です。
私自身、過去に退去後のクリーニングを請け負っていた頃の話です。
退去後の点検でエアコンを開けると、内部にカビがびっしり ──。
りょうたエアコンの中カビ生えているな…管理会社さんに報告をしておかないと…



りょうたさん、写真報告ありがとうございます。今回も大家さんからお金出ないんで、エアコンのパネル(外側のプラスチック)だけ外して、見えるところを拭いてもらえますか?



(このまま拭くだけだと、内部のカビは絶対残るな…)了解しました、対応します。
このように「分解クリーニングをしない」ケースが、私の経験では何度もありました。退去後の現場では「内部までは手をつけない」が当たり前なんです。
これは前の入居者が悪いわけではなく、業界の慣習として「外側のパネルだけ拭く」が標準になっています。
結果として、内部のカビは取り除かれずに残ったまま、次の入居者がそのまま使い続ける ── これが一番多いパターンです。
そしてそれが、エアコンの下に黒い粉が落ちているといった現象につながっていきます。


基本ルール:入居中のクリーニングは入居者負担
まず基本的なルールをお伝えします。入居中にエアコンが汚れた場合、クリーニング費用は入居者の負担になるのが一般的です。
これは国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも記載されている考え方で、通常の使用による汚れは入居者が対処するものとされています。
エアコンのカビやホコリは、普通に生活していれば自然に発生するものです。そのため「普通に使っていただけなのに」と感じるかもしれませんが、入居中のクリーニングは基本的に自己負担と考えておきましょう。
カビだらけに気づいたら、まず確認すべき3つのこと
「もうカビだらけで困っている」という方が、感情的に管理会社と話す前に、先に確認しておくべきことが3つあります。これをやるかやらないかで、後の交渉が大きく変わります。
- ✓賃貸契約書の「特約事項」を確認する
- ✓カビだらけの状態を写真で記録する
- ✓管理会社への連絡は「文字で残す」(メール・LINE)
1. 契約書の「特約事項」を確認する
「エアコンクリーニングは退去時に借主負担」といった特約が書かれていれば、それが交渉の出発点になります。書かれていなければ、原則として通常損耗は貸主負担です。
国土交通省のガイドラインも「通常の使用による劣化は貸主負担」が原則。これは知っておくと交渉が圧倒的に有利になります。
2. カビだらけの状態を写真で記録する
スマホで構いません。正面・吹き出し口の中・フィルターを外した内部 ── この3枚を撮っておくと、後で「これは通常使用の範囲を超えている」または「これは前入居者からの引き継ぎの可能性が高い」と主張できます。
撮影日時のメタ情報が残るので、できれば気づいた当日のうちに撮影してください。
3. 管理会社への連絡は「文字で残す」(メール・LINE)
電話で相談した内容は記録に残りません。必ずメール・LINEで「○月○日にカビだらけで困っていると相談した」という文字を残しておくと、後で「相談した/していない」の水掛け論を防げます。
これがあるかないかで、エアコンクリーニング費用の負担交渉が大きく変わります。電話で済ませた場合も、後から「先ほどの件、念のためメールでも送っておきます」と一言添えて記録を残しておくと安心です。
大家さん負担になる3つのケース


ただし、すべてが入居者負担というわけではありません。以下の3つのケースでは、大家さんや管理会社に相談する価値があります。
1つ目:入居直後からエアコンがカビ臭い場合
入居してすぐにカビ臭いということは、前の入居者の汚れが残っているか、退去時のクリーニングが不十分だった可能性があります。
この場合は大家さん負担になるケースが多いです。入居後できるだけ早く、1〜2週間以内に連絡することが重要です。
2つ目:エアコンが備え付け(残置物ではない設備)の場合
賃貸契約書に「設備」としてエアコンが記載されている場合、大家さんには設備を正常な状態に保つ義務があります。故障や著しい汚れは大家さん負担で対応してもらえる可能性があります。
3つ目:エアコンの故障が原因で汚れがひどくなった場合
ドレンホースの詰まりや内部の部品不良でカビが異常発生した場合などは、設備の不具合として大家さんに相談できます。
退去時のクリーニング費用はどうなる?
退去時のエアコンクリーニング費用について、まず押さえておきたい原則があります。
国土交通省のガイドライン上は
大家負担が原則です。
エアコンの汚れは通常の使用による消耗とみなされるため、原状回復費用の対象外とされています。
最近では契約書の特約事項に「退去時のエアコンクリーニング費用は入居者負担」と記載されるケースが増えています。
しかしエアコン内部のクリーニング費用は、特約があっても退去時に入居者へ請求するのは難しいのが実態です。
エアコンの内部汚れは「通常の使用による消耗」とみなされるため、たとえ特約があっても「通常損耗まで入居者に負担させる特約とは言えない」と判断された裁判例(東京地裁 平成21年1月16日)があります。
もし、管理会社から請求された場合は、こう伝えてみてください。
- 💬「ガイドラインに沿った請求をお願いします」
- 💬「特約があっても認められていない裁判例があります」
これだけで、請求を取り下げてもらえるケースがあります。
それでも解決しない場合は、消費者センターへ相談してください。
📞 消費者ホットライン
電話番号:188(いやや・局番なし)
受付:消費生活センター・国民生活センターの相談窓口につながります
【裏話】不動産会社が請求書を曖昧にする本当の理由
ここで、現場で経験した話をお伝えします。
私がかつて不動産会社から退去後清掃を請け負っていた際、入居者向けの請求書には「エアコンクリーニング費用」と書かずに「退去後クリーニング費用一式」と記載するよう指示されていました。
エアコンクリーニングと明記すると入居者に異議を申し立てられるリスクがあるため、意図的に曖昧にしているのです。
退去時に「クリーニング費用一式」という請求を受けた場合は、必ず明細を確認してください。エアコンクリーニング費用が含まれているようであれば、請求の根拠を確認し、納得できなければ減額や免除を求める権利があります。


ここだけの本音|大家さん側の事情も知っておくと交渉が変わる
実は私自身、清掃業の傍らで賃貸物件の大家業もしています。だから両方の立場が見えるんですが、ここで大家さん側の本音を正直にお伝えします。
結論から言うと、大家さんとしては「エアコンクリーニング費用は負担したくない」というのが本音です。
いっけん楽そうに見える賃貸経営ですが、裏では退去後清掃・補修費・仲介手数料・税金・修繕積立金など、さまざまなコストが発生しています。家賃の数ヶ月分が、必要経費として毎年消えていくのが実態です。
だからこそ、エアコンクリーニングのような追加支出は、大家さんとしてできるだけ避けたいというのが本音です。
大家さんの心の声を正直に書くと、こんな感じです。
🙏 「入居者には長く、問題を起こさず住み続けて欲しい」
😢 「退去で入れ替わるたびに家賃半年分くらいの費用がかかるから、ずっと住んでいて欲しい」
💰 「長く住んでくれるなら、エアコンクリーニングくらい安いもんか」
つまり大家さんにとって一番ありがたいことは、長く住み続けてくれることなんです。
だからこそ、読者の方に伝えたい交渉のコツ
これを知った上で話を進めると、結果が大きく変わります。
大前提として、入居中のエアコンクリーニングは入居者負担が基本ルールです。つまり、これは「権利の主張」ではなく大家さんへの『お願い』になります。
「全額を大家さん負担で」と要求するのではなく、最も効果的なのは「長く住むつもりです」という意向を伝えることです。
具体的には、こんな3点を伝えるイメージです。
- 💬住み始めて◯◯年になり、これからも長く住み続けたいと思っている
- 💬エアコン本体も製造から◯◯年経過している
- 💬効きが悪くなってきているので、入れ替えかクリーニングをお願いしたい
このように「入れ替え」と「クリーニング」の2つの選択肢を示すのがポイントです。
大家さんからすると、エアコン本体の買い替え(1台5〜10万円)と分解クリーニング(13,000円〜)を比較したら、明らかにクリーニングの方が安く済みます。「どうせ何か対応するなら安い方で…」という心理が働き、応じてもらえる確率がぐっと上がります。
大家さん側からすると、「長く住んでくれる入居者」は何よりありがたい存在です。退去のたびに発生する十数万円の費用を考えれば、エアコンクリーニング1台分(13,000円)を出して2〜3年分の家賃収入を確保できるなら、十分応じる価値があります。
大家業にもサービス業としての一面があるので、「入居者の快適な暮らし」と「自分の経営メリット」が一致するこういう提案には、応じたくなるものです。
頭ごなしに「全部やってくれ」と言うより、お互いの事情を理解した上で歩み寄る方が、結果的にあなた自身が得をします。
トラブルを避けるためにやるべきこと
賃貸のエアコンでトラブルを避けるために、プロとしておすすめしたいことが2つあります。
1. 内覧時〜入居直後にエアコンの状態を確認する
可能であれば内覧時にエアコンの吹き出し口を覗いて状態を確認してください。汚れているようなら、その場で「入居までにクリーニングしてもらえますか?」と確認しましょう。
このとき大事なのは、約束を必ず文面(メール・LINE等)で残すこと。口約束だけだと、後で「言った/言わない」のトラブルになります。
入居後も改めてエアコンを確認し、汚れやカビ臭が残っていればすぐに写真付きで管理会社へ連絡してください。時間が経つほど「入居中に汚れた」と判断されやすくなります。
2. 日頃のフィルター掃除を怠らない
フィルター掃除は入居者の義務です。これを怠って汚れがひどくなった場合、退去時に費用を請求される可能性があります。
月1回程度の水洗いで十分なので、習慣にしておくと安心です。
賃貸でも自分でクリーニングを頼む場合の注意点
管理会社に相談しても対応してもらえない場合や、自分で快適に過ごすためにクリーニングを依頼したい場合もあると思います。
そんなときに一番大切なのは「良い業者を選んで頼むこと」です。
私自身、遠方の家族や友人に「どこに頼んだらいい?」と聞かれたとき、いつもおすすめしているのが大手のマッチングプラットフォーム経由で探す方法です。
どちらも評価制度・トラブル時の運営仲介・保険加入の確認が整っているので、初めての取引でも、万が一トラブルがあった時に泣き寝入りしにくい仕組みになっています。
「大手フランチャイズや家電量販店なら安心では?」と思った方へ
ここで「プラットフォームより、大手フランチャイズや家電量販店に頼んだ方が安心では?」と思う方もいるかもしれません。
実はその大手のほとんどは、現場作業を下請け業者に丸投げしています。看板は大手でも、実際に来るのは個人事業主 ── ということが多いんです。料金は高めなのに作業員の質は当たり外れがある、という現場をたくさん見てきました。
詳しくはこちらの記事で解説しています。


良い業者を選ぶ4つのポイント
プラットフォーム上で業者を選ぶときは、次の4点をチェックしてください。
- ①賠償責任保険に加入している(プラットフォーム経由なら担保済み・将来の直接契約時は要確認)
- ②口コミの件数と評価が高い(最低でも50件以上・★4.5以上が目安)
- ③料金が安すぎない(通常タイプの壁掛け1台 8,000〜12,000円が相場。5,000円以下は要警戒)
- ④当日来る作業員の写真の第一印象が良い(直感的に信頼できそうか)
4つ目は「論理的じゃない」と思うかもしれませんが、この直感はすごく当たります。
清潔感・身だしなみ・表情 ── これらはそのまま仕事の丁寧さに直結します。職人の世界では「身なりがだらしない人は仕事もだらしない」が経験則として広く知られています。プラットフォームで複数業者を比較するときは、ぜひ作業員の写真も見比べてみてください。
業者選びの詳しいポイントは、こちらの記事でも解説しています。




結論|まずはプラットフォーム経由が安心
業者選びで失敗すると、エアコンが故障したり、カビが残ったままだったり、追加料金を請求されたりとトラブルが起きやすくなります。
初めての方は、評価制度と保険の確認が整っているプラットフォーム経由で探すのが、結果的に一番安全です。
- ▶ユアマイスターで業者を探す(品質・信頼性で選ぶならこちら)


- ▶くらしのマーケットで業者を探す(選択肢の多さで比較するならこちら)
よくある質問
Q. 入居中なのにカビだらけ。すぐ何とかしたいです
A. まずは管理会社にエアコンクリーニングを依頼してもらえないか相談してください。
賃貸物件の設備としてのエアコンは、貸主が維持管理する義務があります。カビによる健康被害(咳・鼻炎・喘息)が出ている場合は、医師の診断書を添えて依頼すると、対応してもらえる確率が一気に上がります。
Q. 退去時にエアコンクリーニング代を請求されました。払わないとダメですか?
A. 原則として、払う義務はありません。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、通常損耗・経年劣化は貸主負担と明記されています。エアコン内部のカビは通常使用による劣化に該当することが多いためです。
たとえ契約書に「退去時のエアコンクリーニング費用は入居者負担」と特約があっても、「通常損耗まで入居者に負担させる特約とは言えない」と判断された裁判例(東京地裁 平成21年1月16日)があり、判例でも借主側が勝訴したケースが複数あります。
ただし、入居中にタバコの煙でヤニ汚れになった等の特殊事情がある場合は別です。状況によりますので、納得できない請求は不動産関連の相談窓口(消費生活センター・国民生活センター)に相談するのが安全です。
Q. 自費でエアコンクリーニング業者を呼びたいのですが、管理会社の許可は必要ですか?
A. 必要です。賃貸物件のエアコンは大家さんの所有物です。勝手に業者を呼ぶと、万が一故障した場合のトラブルにつながります。
事前に管理会社へ「自費でエアコンクリーニングを依頼してもよいか」を確認してください。あわせて、エアコンが「設備」として記載されているか、「残置物」かも確認しておくと安心です。
業者選びは、評価制度と保険加入の確認が整っている大手プラットフォーム経由がおすすめです。詳しくは記事内の「賃貸でも自分でクリーニングを頼む場合の注意点」をご覧ください。
Q. カビだらけのエアコンを自分でクリーニングしてもいいですか?
A. おすすめしません。
賃貸物件のエアコンは大家さんの所有物(残置物)です。自分で分解・洗浄して故障した場合、修理費の全額負担になるリスクがあります。
市販のスプレー洗浄も、内部に薬剤が残って後で故障する原因になることが多いです。まずは管理会社に「カビだらけで困っている」と相談してください。それが正規ルートです。
まとめ:まずは契約書の確認と管理会社への相談から
賃貸のエアコンクリーニング費用は、タイミングによって負担者が変わります。
まずは契約書を確認し、不明点は管理会社に相談しましょう。そして入居前のエアコン状態の確認と交渉、入居直後の写真撮影が、トラブルを防ぐ一番の方法です。















