「業者にエアコンクリーニングを頼んだのに、翌日から水漏れするようになった」「クリーニングしてもらったはずなのに、また臭いが戻ってきた」——そんな経験はありませんか?
実は、エアコンクリーニング後のトラブルは決して珍しくありません。くらしのマーケットの調査では、クリーニングを利用した方の約16%が何らかのトラブルや不安を経験したと回答しています。問題は、トラブルが起きても原因がわからないまま泣き寝入りになってしまうケースが多いことです。
私はエアコンクリーニングの現場に12年携わっており、他業者が引き起こしたトラブルの後処理を依頼されることも少なくありません。業者側の事情を知っているからこそ、正直にお伝えできます。
この記事では、現場でよく見るトラブル5選とその原因・対処法を解説します。
この記事を読めば、万が一トラブルが起きたときに原因を自分で判断でき、迅速に正しい行動がとれるようになります。
結論から言うと、5つのトラブルにはそれぞれ明確な原因があります。原因がわかれば、起きたときの対処法も、そもそも防ぐ方法も見えてきます。
エアコンクリーニング後のトラブル5選|まず一覧で確認
まず5つのトラブルを一覧で確認してください。自分のケースがどれに当てはまるかを把握することが、正しい対処への第一歩です。
| トラブル | 緊急度 |
|---|---|
| ①エアコンが動かなくなった | ★★★ 高 |
| ②水漏れするようになった | ★★☆ 中 |
| ③臭いが戻る・黒い粉が出る | ★★☆ 中 |
| ④風が冷えない・温まらない | ★★★ 高 |
| ⑤当日に追加料金を請求された | ★★☆ 中 |
緊急度「高」のトラブルはエアコンが完全に使えない状態なので、真夏であれば特に早急な対応が必要です。それ以外のトラブルも放置すると状態が悪化することがあるため、早めに原因を確認してください。
【トラブル①】クリーニング後にエアコンが動かなくなった
クリーニング翌日にエアコンをつけようとしたら、うんともすんとも言わない——これは現場で受ける相談の中でも特に深刻なケースです。原因のほとんどは、洗浄時の水や洗剤が電装基板にかかったことによる故障です。まともな業者であれば作業前に電装部品を丁寧に養生しますが、この工程を省いた場合に起こりやすいトラブルです。


このトラブルには2つのパターンがあります。1つは基板が濡れているだけのケースで、この場合は数時間〜半日ほど乾燥させると復活することがあります。もう1つは内部のヒューズが飛んでしまったケースで、こちらは自然には直りません。メーカーや修理業者を呼ぶことになり、電装基板の交換費用として数万円かかることもあります。製造から10年以上経過したエアコンは交換部品がないケースもあり、最悪の場合は買い替えになります。
まずやるべきことは、クリーニング業者への連絡です。「クリーニング後から動かなくなった」と事実を伝え、記録に残しておくことが大切です。そのうえでエアコンの電源を抜いた状態で半日ほど放置し、乾燥させながら様子を見てください。
| パターン | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 半日乾燥で動いた | 基板が濡れていただけ | そのまま使用可。業者に報告 |
| 乾燥しても動かない | ヒューズが飛んでいる | メーカーにて部品交換 |
いずれの場合も、施工当日〜1日以内に発生したトラブルであればクリーニング業者の賠償保険で対応できます。業者に連絡する際は「いつ・どんな症状が出たか」を具体的に伝えてください。可能であればエアコンの型式と室外機の設置場所(ベランダ・屋上・地面など)も一緒に伝えると、修理業者が事前に部品を手配できるため対応までの時間を大幅に短縮できます。型式シールの場所は機種によって異なりますが、前面パネルを開けた内側か本体の下側に貼られているケースがほとんどです。

【トラブル②】クリーニング後に水漏れするようになった
クリーニング前は何ともなかったのに、業者に来てもらった翌日から室内機の下に水が垂れてきた——このパターンのご相談も毎年多く受けます。クリーニングとの因果関係が明確なため、まず業者に一報入れましょう。

原因①ドレンホースの詰まり
原因は主に2つです。1つ目はドレンホースの詰まりです。アルミフィンを洗浄した際に剥がれた汚れがドレンホースに流れ込み、排水ホース内でゴミが詰まって水が逆流してきます。ここ数年多いのは、室外機近くの排水ホースに取り付けた防虫キャップが原因でゴミが詰まるパターンです。防虫キャップはドレンホースの先端に取り付けて虫の侵入を防ぐ便利なアイテムですが、エアコンクリーニングの際に一度取り外しをしないと、内部の汚れが詰まってしまう原因になります。

また、マンションなどで共有部の廊下にドレンホースがドレンレールを通して排水されている場合も、同様に詰まりやすいため注意が必要です。

ドレンレール内にゴミが詰まっている場合はレールを外しての清掃が必要で、エアコンクリーニングとはまったく別の作業になります。業者側の本音をお伝えすると、水漏れ解消のために対応はするものの本来の作業範囲外のため、1,000〜2,000円程度いただけると正直ありがたいというのが現場の感覚です。言い出しにくくてそのまま無料対応してしまう業者が多いのも事実です。
原因②ドレンパンの取付不良
2つ目はドレンパンの取付ミスです。分解したドレンパンを元に戻す際に正しくはまっておらず、隙間ができた状態になっていると、冷房運転中に発生した結露水がその隙間から垂れてきます。技術が不十分な業者や、慌てて作業する業者に多いミスです。
なお、水漏れの量でも原因がある程度わかります。取り付け不良の場合は隙間から少量がじわじわ垂れる程度ですが、ドレンホースが詰まっている場合はドレンパンから溢れるため水の量が多く、滝のように流れ出すケースもあります。業者に連絡する際に「水の量が多い・少ない」を伝えると原因の特定が早くなります。
対処法はシンプルで、クリーニング業者にすぐ連絡して再対応を求めることです。ドレンホースの詰まりは業者が来て吸引すれば解消できます。ドレンパンの取付ミスも再分解して正しく付け直せば直ります。いずれも業者側の施工ミスが原因なので、追加料金なしで対応してもらえるのが筋です。
【トラブル③】クリーニングしたのに臭いが戻る・黒い粉が出てくる
「クリーニング直後は臭いが消えたのに、1〜2週間で元に戻ってきた」「業者が帰ったあと、黒い粉が吹き出し口から出てくるようになった」——どちらも洗浄が不十分だったサインです。この2つは見た目の症状は違いますが、根本の原因は同じです。
エアコン内部にはシロッコファン(送風ファン)とドレンパン(水受け皿)という、カビや汚れが溜まりやすい2つの箇所があります。黒い粉はシロッコファンに残った汚れが回転の遠心力で飛ばされたもの。臭いの戻りはドレンパンやシロッコファンに残ったカビが再び繁殖したものです。どちらも1〜2週間以内に症状が出る場合、前の業者の洗浄不足がほぼ確実です。
作業時間が30分以内だった場合は特に疑ってください。ノーマルの壁掛けエアコンでも、説明・動作確認・養生・分解・洗浄・乾燥・動作確認・片付けと一通りの工程を丁寧にこなすと1時間〜1時間半はかかります。洗剤の反応時間を取らずに高圧洗浄をかけると汚れが分解しきれず、角度を変えずに正面からしか洗わないと奥に汚れが残ります。こうした手抜きの積み重ねが、短時間作業の正体です。対処法は別の業者への再クリーニング依頼になります。手抜きが起きる構造的な理由については以下の記事も参考にしてください。
エアコンクリーニング後もカビ臭いのはなぜ?プロが教える3つの原因と対処法
【トラブル④】クリーニング後から風が冷えない・温まらない
「クリーニングしてもらったのに、冷房をつけても部屋が冷えなくなった」という相談も現場でよく受けます。ただこのトラブルは、クリーニング自体が直接の原因ではないケースがほとんどです。原因は室外機側にあることが多く、冷媒(ガス)の不足やコンプレッサーの劣化など、クリーニングでは対処できない部分に問題が起きています。
では、なぜクリーニング後に発覚するのかというと、作業前の動作確認を省いた業者が多いからです。クリーニング前に冷暖房が正常に効くかを確認していれば、元々あった不具合として区別できます。この確認を省いた場合、お客様からすると「クリーニングのせいで冷えなくなった」と感じるのは自然なことです。私自身は作業前の動作確認を必ず行い、既存の不具合があればその場でお伝えするようにしています。
対処法はクリーニング業者ではなく、エアコンの修理業者またはメーカーへの相談です。冷媒が不足している場合はガス補充で改善します。コンプレッサーの故障であれば修理か買い替えの判断になります。クリーニング業者に連絡しても解決できる問題ではないため、早めに修理業者に診てもらうことをおすすめします。
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【トラブル⑤】当日に追加料金を請求された
「予約時に言われた金額と、実際に請求された金額が違った」というトラブルは、悪質なケースと依頼者側の事前確認不足が原因のケースの両方があります。まず確認してほしいのは、自分のエアコンにお掃除機能が付いているかどうかです。お掃除機能付きエアコンは内部構造が複雑で作業時間がかかるため、通常のエアコンより追加料金が発生するのは業界の慣例です。自分のエアコンがどちらかわかっていないまま予約すると、当日に「追加料金が必要です」と言われて驚くことになります。
一方で、明らかに悪質なケースもあります。「汚れがひどいのでオプション料金が必要」と作業途中で言い出す、断りにくい状況を作って不要なコーティングオプションを勧める、出張費用を後から請求するといったパターンです。正直に言うと、コーティング系のオプション(防カビコーティング・チタンコーティングなど)は、基本のクリーニングをしっかりやることの方がはるかに重要で、私自身はあまり必要性を感じていません。
このトラブルを防ぐために最も大切なのは、記録に残すことです。見積もりや「追加料金が発生する場合は作業前に確認する」という確認は、必ずメールやチャットなど文字で残る形で行ってください。口頭での確認だけでは、後から「言った・言わない」の水掛け論になりがちです。悪質な業者はそれをわかったうえで口頭にとどめようとします。やり取りが文字で残っているだけで、後出し請求はほぼ防げます。
まとめ|原因がわかれば、正しく動ける
5つのトラブルには、それぞれ明確な原因があります。まず自分のトラブルがどれに当てはまるか、下のフローチャートで確認してください。

原因がわかれば、パニックにならずに正しい順序で対処できます。そして5つのトラブルに共通しているのは、最初の業者選びで防げたケースが多いという点です。失敗しない業者の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
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失敗の原因は業者選びに尽きます。安さだけで選ぶと、この記事のどれかに必ず当てはまります。


